現代人の心身を整える「丹田呼吸」の力
400年の時を超えて伝わる健康法
丹田呼吸は広く親しまれている呼吸法の一つですが、歴史はかなり古く、紀元前には中国で行われ始めたと言われています。老子の言葉の中にも肚で気を練ることの重要性が挙げられ、道教思想や神仙思想に取り込まれて広まっていきました。日本では、約400年ほど前、白隠禅師がこの呼吸法で自らの病を克服し、一般民衆に伝え出したのが始まりとされています。
この丹田呼吸は、広い意味で腹式呼吸の部類に入るのですが、腹式呼吸はお腹の動きを使って呼吸していくことを重要視した呼吸法。対して丹田呼吸は、それにプラス「氣」を扱っていくという概念が入ってきます。丹田で氣を膨らませたり縮ませたり、自分で氣の操作をしながら呼吸をしていくのが丹田呼吸です。
氣の操作と聞くと難しく感じるかもしれませんが、両手を合わせ、少し隙間を作った手の中央に氣のボールを作って遊んでみることで、なんとなく氣のイメージが掴めるかもしれませんね。
丹田は三つあり、今回の呼吸法で取り上げるのは臍下丹田、下丹田とも言われている場所です。「丹田の場所は臍下三寸」などと言われていますが、おへその下の約5cmほど下、手のひらをふわっとお腹に当てたところと思っていただいたらいいかと思います。ここは体の中心であり、氣の集まるところと言われています。ここで氣を練っていくようにイメージしながら呼吸していくのが丹田呼吸です。
Union Breathの基礎講座では、合気道のやり方の丹田呼吸をお伝えしています。
お腹を頑張ってあまり膨らませようとせず、自然に息が入ってくる感覚を捉えながら腹式呼吸を行います。口を大きく縦に開きながら、肚の底から氣を凝縮させていくような気持ちで息を吐いていき、吐き切るタイミングで体を前に傾けていきます。そして、そのままの姿勢で吸う息を入れ、吸い切る最後の瞬間に体を起こしていきます。これを繰り返し、できるだけゆっくり、長く吐くことを意識して行うことで、丹田で氣が充実していきます。
このやり方によって肚に氣がこもっていき、体の内側に熱を生まれて温まってくる感覚が得られます。自分の力で体を温める、ということができるようになりますので、冷え症の方や冬が苦手な方は、ぜひ取り組んでみてください。
また、丹田呼吸は練習を積み重ねていくと、大氣からの力強い氣のエネルギーが丹田に入ってきて広がっていく感覚が徐々に得られるようになっていきます。氣が丹田という肚の中心に落ち着くことで心も穏やかになり、精神的な安定にも繋がると言われています。長い時間行うことで、深い瞑想領域に入っていくこともできると言われていますので、お時間のある時はぜひ試してみてくださいね。

